丸山 直人 展 『pilgrim』
丸山は極端に大きな瞳を持った女の子を描く。瞳は顔の約半分を占めている。
アニメなどの美少女キャラクターの奇形に造形された瞳とは対照的に、灰色に濁ったその瞳には造形性はなく筆の痕跡のみが存在する。彼女には世界を見る視力は存在しているのだろうか。
小さい頃から、人と話すときは、人の目を見て話しなさい。と教えられ育ったわけだが、その大きく灰色に濁った瞳の何処を見ればいいかわからない。それでもこちらを見つめる彼女達とは永遠に不可解なコミュニケーションが続くのであろう。 丸山の別シリーズに《どうやら散歩っぽい》2009、《お待ちになっております》2010 など一見間の抜けたキャラクターが登場するものがある。頬にぐるぐるっとナルトが描かれた猫が特に印象的であった。クラスにこんなヤツいたなあ。と小学生の頃を思い出した。今年26才になる丸山はその小学生のセンスをキープし続けているようだ。
ヘンナヤツダ―――――――(※v※)―――――――――ッ!!!!!!!!!

と丸山について綴ったが、ずいぶんと頼りない文章である。
漫画家 浦沢直樹(代表作に「20世紀少年」「YAWARA」など)が言っていた。
制作にいきづまった時、自分の好きなものを書き出せ。そしてその書き出したものの共通点を探せ。そうすれば何かが分かる。私も文章を書くのにいきづまった。
ここに事前に聞いておいた丸山の好きなものを書いておく。私と一緒に丸山の作品に存在する『何か』を一緒に作品と照らし合わせながら探っていきませんか。

企画者 山下拓也